元々はマイナーなドラマ「探偵物語」

1979年リリース、SHOGUNの3枚目のシングル。

…と言われても分かる人はマニアのみ。この曲は、松田優作が主演して人気を博したテレビドラマ「探偵物語」のオープニングテーマである。

大ヒットした「大都会」シリーズの放送枠での、ハードボイルド・コメディという作風も実験的だが、松田優作が扮する私立探偵「工藤俊作」に関する設定の異常な凝り具合が素晴らしい。

彼のスタイルや主義主張の例をあげると「黒のスーツにカラーワイシャツ」「ライターの火力は常に最大」「サスペンダー愛用」「コーヒーのブレンドにうるさい」「午前中と日曜日は仕事をしない主義」「職業蔑視はしない主義」「手相は見ない主義」など、本当に魅力あふれるキャラクター造形で、彼のことを疎ましく思っている刑事達を手玉に取りながら事件を解決していく人間ドラマは、深夜に一杯ひっかけながら見るには最高である。

私立探偵「工藤俊作」は、松田優作の代名詞に

劇中では、アドリブの頻発や本人の地が出たような演技に、「工藤俊作=松田優作」というような見方も強くされ、その愛すべきキャラクターは、後の様々な作品にリスペクトされている。なお外面だけだが、ワンピースに出てくる海軍大将の「青キジ」は「工藤俊作(松田優作)」と言われている。

「BAD CITY」に触れた、幼かった私

さて、この曲の詩は全編英語とはいうものの、半分くらいは「BAD CITY」と連呼しているような曲なので、私のような英語能力に乏しい者でも問題なく聴ける。軽快というよりは軽妙さを感じさせる曲調で、ドラマとの親和性は極めて高い。

私は基本的にテレビドラマを見ないのだが、このドラマは大好きで、再放送のたびに嬉々として見ていた記憶がある。初めて見たのは、多分、中学生だったと思う。その時すでに、「この始まりの曲カッコいいな!」と思っていた。馬鹿な私は、「オープニング・テーマ」という言葉すら、まだ知らなかった。

夕方16時か17時の枠でやっていたはずで、学校帰りで、働きに出ていった母が置いて行ってくれているおやつを食べながら真剣に見ていた。中学生というのは、外を走り回って鬼ごっこをするようなガキんちょではないが、かといって青年でもないという微妙な年齢だなと、今になってみると余計に強く思う。

あの頃、どんなことがあって何を思い何を考えて毎日過ごしていたのか…?当時の友人達と話でもしなければ思い出せなくなってしまった。今、中学生になった息子を眺めていると、随分子供に見える。自分もああだったのだろうか?今度、親に聞いてみたい。

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