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世紀末ビーイングバブル!「WANDS」

1993年リリース、WANDSの6枚目のシングル。

WANDSは、当時、女優として第二期黄金期にあった中山美穂とのコラボ作品で4枚目のシングル「世界中の誰よりきっと」が大当たり。

3枚目のシングル「もっと強く抱きしめたなら」がそれにつられてミリオンセラーを達成。続く「時の扉」に「恋せよ乙女」と連続ヒットで大ブレイクを果たし、一躍トップアーティストの仲間入りをした。

この1993年はシングル410万枚、アルバム320万枚と売れに売れまくり、その年の日本ゴールドディスク大賞も受賞した。

しかし、そのわずか2年後にはメンバーの音楽的志向から、それまでのポップス路線から転換。

結果として売り上げを落とし、1996年「WORST CRIME」を最後にボーカルとギターがWANDSを離脱。

1997年には新しいメンバーを迎えて新WANDSとなり「錆び付いたマシンガンで今を撃ち抜こう」「明日もし君が壊れても」などをリリースしたが長続きせず2000年3月に解散。

2020年からは、3代目ボーカルになった第五期として再活動しているが、WANDSはメンバーの入れ替わり(旧メンバーの復帰も含む)が多く、デビュー時から通して在籍しているメンバーはいない。

ロックバンドの成り立ちは…

ロックバンドやロックユニットの場合、メジャーシーンに上り詰めるまでのアプローチとして、大きく2種類ある。

ひとつは、地元中心に下積みを続け、ロックフェスなどの入賞などでその才能を見出されてデビューする方法、もうひとつは、プロデューサーや所属事務所が主導したオーディションによる選考や、業界内での紹介などで引き合わされて結成される方法である。

前者は、BOOWY、BUCK-TICK、黒夢、GLAY、Mr.Children、アルフィー、安全地帯、サザンオールスターズなど多数、一般的に知られていないところでは、デビューしてしばらくはアイドルとして扱われたチェッカーズやC-C-Bもこちら側である。

後者はというと、B'z、ZARD、DEEN、そして今回取り上げたWANDSなどがある。新しめのところでは、西川貴教ことT.M.Revolutionはどちらかというとこちら寄りか。

ともかく、WANDSは、ビーイングという音楽会社が全面的に主導して作ったプロジェクトチームなのだ。

(ちなみに、B'z、ZARD、DEENは全てビーイング所属)

聴きやすいB'z… WANDS

初めてWANDSを聴いた時「ちょっとB'zっぽいな」というのが第一印象。

ビーイングのことなど全然知らない頃だったが、私はそう感じていた。そしてB'zに比べてずっとキャッチ―で耳障りが良い楽曲たち…。

ちょっとマニアックになってきていたたB'zの隙間を埋めるビーイングの戦略は、歌謡デジタルロックとして大当たりした。

しかし、3人組であるWANDSのメンバーは、本心では全く別の音楽的志向を持っていた。

いわば、社命に従って歌謡デジロックをやらされている状態だったのだ。

どんな仕事でもそうだが、いくら金銭的な報酬やヒットという実績があっても、意に添わないことを長くは続けられない。特にアーティスト、制作側の人間には耐えられないだろう。

WANDSの曲は本当に聴きやすく、うがった見方さえしなければ完璧な「J-POP」だと言える。私もその聴きやすさに惹かれ、シングル2枚とアルバム2枚を購入している。

しかし、というか、やはり心に訴えかけられる熱量に欠け、今聴くと、大ヒットした曲としての本当の凄み、普遍的なオーラは備えていない。ビーイングには申し訳ないが「売れただけの曲」だ。

この「恋せよ乙女」は、彼らの楽曲の中では一番、洒落た雰囲気があり、WANDS黄金期の頂点であり、彼らが葛藤の中でJ-POPを演じきった曲のように私には聴こえる。

ボーカルとギターが脱退したWANDSは、歌声がそっくりのボーカルを連れてきて延命を図ったが、やはり妙な感じになり人気は下降線を辿った。

WANDS自体に罪はないが、こういう手法は我々リスナーを馬鹿にしていると思う。

再結成があり得ないバンドとは、こういうバンドのことを言うのではないだろうか。

私は、自宅の棚にある彼らのCDを眺めていると、何だか悲しくなってくる。

 

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