人生初のギター講座の日
そうこうしているうちに、アコースティックギター講座初日を迎えてしまった。
フッフッフッ、…ワタシの人生にこんな日がやってこようとは。
今日まで、ミニギターと分からずに購入したギター「S.yairi YM-02」がどうしていたかというと、リビングの一等席を占拠したギタースタンドの上で鎮座し、立派なインテリアとしてワタシや家族に存在感を示していた。
息子「なに、お父さん、ギター買ったの?」
父「…ん~、まあね~」
息子「弾かないの?」
父「いや、まあ、もう直ぐ習いに行くから、それからかな?」
息子「ふーん」
中2病真っ盛りの息子にやんわり突っ込まれていたが、ワタシだって好きで飾ってるんじゃないのよ。ワタシも最初は「Yeah!」とばかりに触ってみたんだけど、ド素人のオヤジチャレンジャーには、
何をどう触ってジャカジャカやっていいのか分からなかった…!
何しろ相手は楽器。手荒に扱って弦が切れたり、どこか壊れてしまうことにビビったのも多少あったんだけど、どうやって触るのかが、先ず分からんのだわ。
楽器の中では、アコギ(アコースティックギター)はフレンドリーだとされているがホントかよ?
たかだが1万円の自前で購入したミニギターに対し、「一見さんお断り」的なオーラを感じて尻込みしてしまうワタシ。
ピックも親指と人差し指で挟んで持ってみたものの、弦に跳ね返されて落としたりして、しっくりこないことこの上ない。最初って皆こんなもんなんでしょうか?ワタシが飛び抜けてギター適性の低いタイプなんだろうか…。
この段階で早くもワタシは、「こりゃ早くに挫折してしまうかもしれんわ~」と思ってしまったが、今日は初のギター講座なので、偉大な第一歩になる(かもしれない)日。
同級生が講師を務めるギター講座は、街で一番でかいショッピングモールの一角にある多目的コーナーの一室を使っており、彼に会うのは25年振りくらいになる。
そして再会へ…!
新品の安ギター「S.yairi YM-02」を、付属のケースに入れて持ち歩くのも、非常に照れくさい。
いや、誤解の無いように補足するが、「S.yairi YM-02」がどうこうのハナシじゃなくて
ギターを人混みで持って歩くのがこんなに恥ずかしい
とは思ってもみなかった。勿論、人並に弾ければ堂々と出来るんでしょうが…。
…で、待合スペースで緊張して待っていると、程なくしてギターを背負ったスレンダー体形の人物が近付いてきた。そして「講師の〇〇です~」と、挨拶を始める元同級生。
やはり、ただ同じクラスだったというだけの間柄なので、目の前のオッサンがワタシだとは分からない様子。マズイ。
「あ、久し振り!〇〇です!」
恥ずかしくなる前に食い気味に名乗るワタシ。すると講師は「…んん?…あ、あれっ?ええ!〇〇かい?そうだよね?」っと思い出した感じになってくれた。
第一関門をクリアしたワタシは、ふうっ、と心の中で安堵した。