杉山清貴&オメガトライブ「ガラスのPALM TREE」
1985年リリース、杉山清貴&オメガトライブの7枚目のシングル。
サングラス姿で登場する芸能人と言えば、今も昔もやっぱりタモリかと思うが、この杉山清貴もなかなかのサングラス男。
ベストテン番組等へは必ずサングラスをして登場、レコードジャケットでも当然サングラス着用、これは素顔(目を)を晒したことが無いんじゃないかと思うくらい。
そして、当然ながらサングラスは眩しい日差しが揃っていないと不自然になるので、彼のバックには南国の海、ヤシの木、白い砂浜が広がり、金髪美女もちらほらと…というシチュエーション。
でも、こんなにスカッとした南国気候を、歌声で表現した歌い手は杉山清貴くらいだと思う。
「夏」ではなく「南国」の杉山清貴
夏を体現したバンドといえば当時はTUBEとサザンオールスターズだった。しかし、サザンもTUBEも季節感よりは「湘南海岸」が強い。
そのせいか両者とも、スカッと爽やかな夏というより、ムッとした熱気に熱い日差しという「日本の夏」が本領であり、夏休みにかき氷、花火といった風物詩が似合うバンドだ。
一方、サングラスを外さない杉山清貴は「夏」ではなく「南国」。
どちらも暑いが、夏と南国では、その世界観に大きな隔たりがある。日本の季節感ではなく、昔で言うところの常夏の国…。
杉山清貴は、沖縄とかハワイのような南国世界を歌うことが出来る稀有なアーティストだった。
杉山清貴からカルロス・トシキへ
私は杉山清貴のファンではなく、大ヒットした「ふたりの夏物語」も、あ~キャッチ―ないい歌だなあ、というあっさりした感想で終わっていたが、この「ガラスのPALM TREE」をCMで聴いた時には、グッと引き寄せられるものがあった。
そして早速シングルレコードを購入、なんだ、オメガって実はいいバンドだったんじゃないか!と繰り返し聞いてご満悦だったが、なんと「ガラスのPALM TREE」はオメガのラストシングルであり、間もなく杉山清貴&オメガトライブは解散を発表、ショックを受けたという経緯がある。
しかしオメガは、後に調べてみると事務所のコントロールが強く、自主性の高いバンドとして活動することにかなり制限があったようで、人気絶頂期のツアー中に杉山清貴らメンバーの話し合いにより解散することになったようだ。
杉山清貴はソロになり、オメガのイメージそのままで「さよならのオーシャン」がヒット、オメガの方も、新ボーカルにカルロス・トシキを加えた1986年オメガトライブとして「君は1000%」が大ヒットし、双方とも成功する好ましい例となった。
【DyDo】今は無き「ダイドージョニアンコーヒー」
この曲は、当時あった缶コーヒーブランド、「ダイドー/ジョニアンコーヒー」のCMソングだった。
(ちなみにソロ曲「さよならのオーシャン」もそう)
この記事を書くため、当時の映像をYOUTUBEで見てみると、なんとCMには杉山清貴本人が出演!
すっかり忘れていた私は懐かしさで感動。杉山清貴は当然のごとくサングラス姿で登場したが、CMの終わり際にサングラスをずらして目元を見せるという技を繰り出しており、驚いたと同時に思わず笑ってしまった。
当時としても、なかなかファン心理をくすぐった名CMだったんじゃないだろうか。