米米クラブ「I・CAN・BE」
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「マイマイクラブ?」等と間違われたバンド

1985年リリース、米米クラブのデビューシングル。

当初は色物バンドと見られ(間違ってはいない)、好みが分かれるバンドだったが、正統派ポップスの「浪漫飛行」や「君がいるだけで」のメガヒットで急に大物アーティスト扱いをされたバンドだ。

その後も息の長い活躍をするバンドのデビュー曲というのは、ブレイク以降と比べると雰囲気が違っていたり、妙に歌謡曲ぽかったり、若々しかったり、歌唱が違ったりして、それはそれで面白いものだが、米米クラブのこの曲に関してはそうした要素は希薄。

この段階で既に"カールスモーキー石井”のコブシは際立っているし、彼ら独特のファンキーなムードもバッチリある。

失恋をしっとり目にポップに歌った曲だが、米米クラブならではの、真面目にやっているのかふざけているのか分からない感じも十二分に堪能できる。

この曲については、友人や誰かに勧められたのではなく、自分で発見した記憶がある。この曲が収録されたデビューアルバムを買ったか借りたかして、自分の琴線に触れたのが切っ掛けだった。

米米クラブの「上半身」と「下半身」

米米クラブは、自身が繰り出す楽曲のことを「上半身と下半身」と表現したりするバンドで、王道ポップスも、ファンキー爆発ソングも、寸劇みたいなコント曲も含め、色んな楽しさをメンバー全員でショーのようにして魅せるグループだった。

しかし、「君がいるだけで」のような正統派が売れすぎたせいで”キレイなバンド”としての楽曲を先行せざるを得なくなり、すっかり旨味と毒気が抜かれた米米クラブは、私にとって追いかけていく対象では無くなってしまった。

後年になって明らかになるが、それは米米クラブ自身にとっても大きなジレンマだったようで、メンバーがやりたいことが出来ないバンド、方向性を失ってしまったバンドは軋轢を生み、脱退者が出てセールスも低迷、1997年に解散となってしまった。

不本意にも「上半身」イメージだけが膨らんでいた1991年、米米クラブはバランスを取るため?に下品でおバカな楽曲ばかり収録したアルバム「米米クラブ」をリリースしている。

そのアルバムには、裏側の、というより正面の「米米クラブ」として珍品ばかりが収録されているが、入り口として最適で爆笑必死の「東京Bay Side Ciub」や「ホテルくちびる」等々が収録されている。

「I・CAN・BE」=「アカンベ~!」

冒頭に書いたことと少しズレるかもしれないが、イントロからサビまで、ファンキーテイストはあるものの、ちょっと真面目っぽいというかスカした感もある「I・CAN・BE」なので、米米クラブの中では珍しい方の曲になる。

プロデビューのシングルなので、彼らの本意とはズレて少しでも売れるようにポップスっぽく、お洒落に仕上げられた曲なのかもしれない。

でも、この曲はちゃんと「米米クラブ」だ。

たとえプロデュースの制約?がある中であっても、米米クラブの本質、原点を埋め込む熱意、情熱がこもっている。

2番のサビの最後には、それまでちゃんと「I・CAN・BE」と歌っていたのに「アカンベ~!」と気持ちよく流してアウトロに繋がる。

私はここを聴いて米米クラブの本質を感じ、グッときたのだ。

当時の私は中学2年になって間もない頃。このフレーズを聴くだけで、まだまだ子供だった自分の感覚に浸ることが出来る。

ファミコンに夢中だったし、毎日の級友達との馬鹿なやり取りは本当に楽しく、学業はちっとも面白くなかった。この頃は、早く大人になって社会人になってお金を稼ぎたいと、そればかりを思っていた。

 

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