1985年リリース、杉山清貴&オメガトライブの7枚目のシングル。

サングラスがトレードマークになっている芸能人と言えば、今も昔も、やはりタモリかと思うが、この杉山清貴もなかなかのサングラス男であった。なにしろ、ベストテン番組等へは必ずサングラスをして登場、レコードジャケットでも当然サングラス着用、これは素顔を晒したことが無いんじゃないかと思うくらいである。

そして、当然ながらサングラスといえばバックには南国の海、ヤシの木、白い砂浜が広がり、金髪美女もちらほらと…というシチュエーションである。

でも、こんなにスカッとした気候感を歌声で表現した歌い手も彼くらいなのではないだろうか。夏を体現したバンドとしては、他にTUBEがいるが、こちらの場合は杉山清貴ほどスカ―ッとした爽やかな南国夏空ではなく、もっとカーッと暑い灼熱の太陽を思わせるから不思議である。そう、杉山清貴は「夏」ではなく「南国」を歌うことが出来る稀有なアーティストである。

私は例によって杉山清貴のファンではなく、大ヒットした「ふたりの夏物語」も、あ~キャッチ―ないい歌だなあ、というあっさりした感想で終わっているのだが、この「ガラスのPALM TREE」をCMで聴いた時には、グッと引き寄せられるものがあり、早速シングルレコードを購入、実はいいバンドだったんじゃないかと繰り返し聞いてご満悦だったのだが、間もなく杉山清貴&オメガトライブは解散を発表、軽くショックを受けたという経緯がある。

この曲は、当時あった缶コーヒー、ダイドーのジョニアンコーヒーのCMソングなのだが、この記事を書くのにYOUTUBEで見てみると、杉山清貴本人が出演しており、それはそれは懐かしい映像が展開されて大いに過去の記憶が刺激されたが、なんとサングラスをずらして目元を見せるという技を繰り出しており、思わず笑ってしまった。当時としても、なかなかファン心理をくすぐった好CMだったのではないだろうか。

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