うつ病物語 その45「復職後の調子が上がっていかない」

復職後2か月経った頃の状態

睡眠障害や、朝の強い落ち込みは殆ど無くなっていて、そこは随分と楽になっていたのだが、集中力や思考力といった職務能力面では停滞が続いていた。

上司Aや上司Bの計らいにより、役員Aと私が直接対することが少なくなるように配慮してくれていたので日々の気持ちは軽かったが、役員Aに対して無意識に怯えてしまっているような感覚は抜けず、私の方からは極力接触しないような動きになっていた。

役員A側の方も、私に対して気を使っているようで、殆ど話しかけてくることもなく、私と役員A間のコミュニケーションは、本当に最小限のやり取りに終始していた。いつまでもこんな訳にはいかないのだが、いつか時間が経てば解消されるのかどうか自信が持てなかった。

久し振りの上司面談

そんな頃、上司Aと久し振りの面談をした。

上司A「調子はどうだ?」

私「そうですね…大きな変化はありません。普通です。」

上司A「そうか、まあ医者に逆らうようだが、業務負荷を減らした中で、普通の生活をして調子を戻していくのが良いと思っているから、焦らないようにな。で、来月から繁忙期に入るが、〇〇はこういう方面とこの仕事を…」

業務負荷を減らして様子を見るんじゃなかったのかと文句のひとつも言いたくなったが、職場復帰から2ヶ月が経過したことで、上司達は、私の体調が回復してきていると判断しているのだろう。自分としては、あるラインから停滞傾向にあると感じているのだが、自身と周囲とで生まれるここのギャップが、この病気の取り扱いの難しいところである。

上司A「…という役割分担で、繁忙期を乗り切っていきたいと思っている。〇〇の弱点だったところだから、これを機会に頼むぞ。」

私「はい、分かりました。」

はい、と返事をするしかなかったが、全然自信が無かった。復職からしばらくは回復基調を実感したが、集中力や思考力の低下を自覚してからは、ずっと停滞気味である。少しずつ前進しているものと信じて日々を過ごしているが、ゴールが明確にならない。

何がどうなれば完治なのか?業務が元に戻った時に再発しないのか?それに、管理職を担う能力や適性がそもそも無いのではないか?という懸念も頭を過ぎり、色々と自信が持てないでいた。うつ病は、本当に嫌な病気だった。

 

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