C-C-B「元気なブロークンハート」
1986年リリース、C-C-Bの7枚目のシングル。
当時、中森明菜、小泉今日子、チェッカーズ、安全地帯やなんかと五分でヒットチャートを賑わしたバンドとして、C-C-Bの存在は大きかった。
彼らの魅力といえば、なんといってもカラフルな出で立ち、リードボーカルが3人という異色なスタイル、そしてキーボードとシンセドラムを前面に出したスカッと抜けた音色だろう。
C-C-Bの場合、演奏時に真ん中に位置する渡辺英樹がリーダーかつボーカルなので、彼が圧倒的な一番人気かと思うが意外とそうでもなく、ドラムの笠浩二が特徴的なパステルメガネ(伊達メガネ)、そして艶っぽい関口誠人がいてと、フロントマンが3名とも個性的で、人気も綺麗に分け合っていた。
関口誠人の名台詞「振られたら、しょーがないジャン?」
C-C-Bはシングルを出す度に、フロントマン3名を均等に押し出すようになっていた。
徐々に前面に出てきたのは関口誠人で、ハイトーンボーカルの渡辺英樹と笠浩二に対して低めの艶っぽいボーカルで、とても特徴的でもあった。
「元気なブロークンハート」は引き続き筒美京平氏の作曲だが、それまでシングルでは合いの手ポジションだった関口誠人を、Bメロを丸々任されるくらいにフューチャーしている驚き曲だった。
その中で「振られたら、しょうがないじゃん」という部分があるのだが、「しょうがないじゃん」が「しょーがないジャン?」という感じで最高なのだ。
C-C-Bが好きな人はここ絶対好きなハズ、と言い切りたいくらい素晴らしい「しょーがないジャン?」。
歌い方が上手いとかじゃなくて、凄く効果的な、関口誠人の名台詞と表現する方がしっくりくる。
男子にも女子にも皆に好かれた「C-C-B」
私の友人達(例の麻雀仲間「雷電」参照)も、C-C-Bのことは誰一人けなすことはなく、牌を打ちながらのBGMに大活躍で、全員のお気に入りバンドだった。
この「元気なブロークンハート」も、安全地帯ファンである私が少ない小遣いをやりくりしてシングルを自前で購入している。
チェッカーズもそうだったが、彼らもアイドル的な扱われ方が前面に出ていたせいで、実はアルバム曲と中期以降のシングルは自作のアーティストだったという側面は、一般人の知る由のないものとなっている。
また、人気絶頂期における関口誠の脱退は、フロントマン3人だからこその魅力をスポイルしてしまい人気も失速。ひっそりと活動停止となってしまったのは非常に残念だった。
解散後も、残ったメンバーでぼちぼち活動していたようだが、リーダーの渡辺英樹さんは2015年に55歳の若さで急逝。そのニュースに触れた際には、CDを引っ張り出して聴いてみたが、渡辺の甘くハスキーな歌声は今聴いても魅力たっぷりで、一層悲しい気持ちになった。