絶対アウトな暴言3連発「死相が出ている」「お前らは家畜」「お前の顔はぶん殴りたくなる」

B!
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暴言①「お前の顔には死相が出ている」

私は、うつ病により2度休職をしたが、最初の休職(5週間)に入る半年から1年くらい前。この頃から既に、朝はひどく気持ちが沈んでおり、重苦しい気持ちにムチを打って出社する毎日だった。

自分の席に着いて、検印しなければならない書類に手を付け始めると、役員Aが近付いてきて、総務部の島の端にある部長席に座り、私の正面に座っている上司Bに雑談を仕掛けてきた。

”仕掛けてきた”という表現を使ったのは、役員Aのそれは、朝の挨拶的な雑談ではなく、どことなく威圧的で説教口調の、皮肉や嫌味が沢山散りばめられたものだからだ。

こうした嫌味な言動は、完全なイエスマンのため気に入っている上司Aや、本当は女性蔑視のくせに好かれたいという狙いが見え見えの女性職員達にはしない。被害を受けるのは決まって上司Bと、そして私だった。

上司Bへの雑談攻撃が一応終わり、役員Aはスッと私に目を向けた。何を言ってくるんだろう?と無意識に身構える私。

役員A「おい〇〇、お前、死相が出てるぞ。」

私「…え?」

役員A「死相だよ。なんだその顔は。朝なんだからもっとシャキっとしろよ。」

私は驚いた。普通、朝の雑談で、役員が配下の課長に「お前の顔には死相が出ている。」などと、冗談半分だったとしても言うだろうか?

この人は人格的に狂っていると私は思った。そして、私とは共通項のない全く別種の人間だということを痛感した。役員Aは、表情こそ笑顔を作ってはいたが、蔑んだような眼つきだった。

暴言②「お前らは家畜と同じ」

私は、課長になってからというもの、役員Aに説教されることが非常に多くなった。勿論、説教されるには、色々な理由や原因があった。

不慣れによるミスや判断の遅さなど、なったばかりの管理職には有りがちなものから、もうずっと前から慣習的に続いていた進め方や規程に対して急に猛指摘を始めたり、役員Aから承諾されたはずの案件を蒸し返して叱責されるような、理不尽なものも多かった。

説教をしている内に熱を帯びてくることが多い役員Aだったが、「自分の頭で考えて」という話を始めると更にヒートアップする。私は矢継ぎ早に出されて変更されまくりの指示命令に自分と課員を向けさせることで精一杯。

休日を潰して仕事をしても到底追いつかなない状態が長期化していたし、自身の思う通りじゃないと認めない役員Aに対し、提案する気力なんかとっくに失せていた。

「お前らは、俺がやれと言われたことをやっているだけだ、それじゃ家畜と同じだ。」

家畜‥。

私はその言葉が刺さって、その後の説教がしばらく頭に入らなかった。

暴言③「お前の顔を見てるとぶん殴りたくなる」

役員Aの説教はとにかく長い。短くて30分、下手をすると2時間近くになり、午前と午後に1時間ずつ説教される日もあった。叱られ場所は、応接室か会議室。皆や私が居るフロアとは通路を挟んでいるだけで、戸を閉めるわけではないので、説教の具体的な内容までは聴こえないものの、その様子と雰囲気は筒抜けに近い。

叱られてる間、ずっと役員Aの目を見て、「はい」と返事をし、うなづき、「分かりました」を繰り返す。「黙っていないで言いたいことがあれば言え」と問い詰められるので、仕方なく口を開くと、今度は「言い訳するな」と直ぐに遮られ、更に説教が延長される。

嵐が過ぎ去るのを、ただじっと身体を伏せて耐える状態…。これがたまにのことなら、世間で良くある話かもしれないが、私の場合は、殆ど毎日がこんな感じだった。

そんな説教の毎日が常態化していたある時、役員Aは、私に向かって長い説教をしながら、こんな言葉を発するようになった。

「お前の顔を見ていると、ぶん殴りたくなる。」

…これはキツかった。なぜかと言うと、私の基準では、殴りたくなるような人は、犯罪者や裏切り者だったからだ。何度注意してもサボる人やいい加減な仕事をする者に対しても、物凄く腹は立つが、それだけだ。

自分の部下が、リクエスト通りの仕事が出来ないからと言って、私はその相手を殴りたいとまでは思わない。私は、役員Aが望むような仕事振りでは無かったが、サボるところか、残業や休日出勤を厭わずに、うつ病の影を振り払いながら自分なりに尽くしていたはずだった。

役員Aに確認する度に変る指示や考え方に直ぐに修正し、自分を殺して意見や主張を控え、二度手間や三度手間も厭わず、そのせいで明らかに不満を感じている部下にも噛み砕いて説明して…と、あくまでも自分なりにだが、課長としての責務を果たすために骨を折ったつもりだ。

そんな私に対して、役員Aは「殴りたい」と思うのか?…私は、なんだか悲しくなった。

こう言われたのは一度や二度ではない。役員Aは、説教の度に、まるで締めの台詞のように言い放つようになった。

もう既に”うつ病”の初期症状だったと思われる私には、その言葉はとても重たかった。そして、その「お前の顔を見てると殴りたくなる。」という言葉は、説教が終わった後、何度も反芻して深く心をえぐった。

そんな日々を過ごすなか、私は、仕事に対するモチベーションや前向きな気持ちを著しく失い、無間地獄にいるような、全てにおいて深刻な諦めの心境になっていった…。

「パワハラ」となる暴言の線引き

では、どんな言葉がパワハラに認定されるような暴言になるのだろうか?これは非常に判断が難しい。

例えば、「馬鹿野郎」という言葉も、そこだけ活字で抜き出すとNGになりそうだが、当事者間の信頼関係の深さや前後の文脈、また言い方や雰囲気で、「馬鹿野郎」は「バカやろ~♪」になり、随分と違うものになる。

単純に言葉だけを抜き出してパワハラ認定してしまうと、とても窮屈な職場になってしまいかねない。

しかし、メンタル低調な部下への「お前の顔には死相が出ている。」や、説教中の「お前らは家畜と一緒」、「お前の顔を見ているとぶん殴りたくなる。」には、そういう救いは全くない。

この3つはどう見ても暴言だ。厚生労働省が定めるパワハラ分類6類型のひとつ「②精神的な攻撃」(人格を否定するような言動を行う)に合致すると思う。

役員Aは、ああいう性格なのでとっくに忘れているだろうが、既に色々積み重なっていた私へのダメージは小さくなかった。

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