【モーニング娘。】後の大ブレイクを決定づけた「サマーナイトタウン」

B!
スポンサーリンク

1997年のオリコン売上ランキング

「モーニング娘。」が結成された1997年頃、邦楽界における女性アイドルという存在はすっかり影が薄くなっていた。

 

<1997年 オリコン年間売上ランキング>

1位「CAN YOU CELEBRATE?」 安室奈美恵

2位「硝子の少年」 KinKi Kids

3位「ひだまりの詩」 Le Couple

4位「FACE」 globe

5位「STEADY」 SPEED

 

1位の安室奈美恵も5位のSPEEDも10代の女性で、歌だけでなくビジュアルやキャラを含めた憧れの存在として若い世代から人気を集め、90年代前半を象徴するほどに流行った。

しかし、同時期に人気爆発したアイドルKinKi Kidsとは違い、彼女達はアーティストだった。

そして6位以下にも、ミスチルやGLAYといった長期安定株、大当たりのPuffyや河村隆一、ピークを過ぎても強いB'zと、バンドやアーティストが続く。

10位以下から30位まで眺めても女性アイドルの曲は出てこない。

実は、この97年には広末涼子がデビューシングル「MajiでKoiする5秒前」をリリース。一般層にも業界にも大きなインパクトを与えたが、それでも49位。

いつの間にこんな風に邦楽界が変わってしまったのか…?

アイドル衰退からの変化、男女の差…!!

90年代に入ってバンドブームが起きると、それまで邦楽の一大勢力だったアイドル勢は急速に萎んでいった。

男性アイドルが先に押しのけられ、女性アイドルは、80年代後半から90年までは、中森明菜、小泉今日子、南野陽子、中山美穂などがいたがが徐々にフェイドアウト、その後しばらく孤軍奮闘していた工藤静香も降りた後は、セールス面でトップ争いするような後継アイドルは誕生しなかった。

ちょうど「J-POP」という言葉が使われるようになった頃と重なる。

しかし90年代の半ばになるとバンドブームも落ち着き、また少し変化してきた。

男性アイドルグループとしてレジェンド枠に成長しつつあったSMAPと、アプローチの仕方を変えて支持を得たKinKi Kidsは、楽曲も高いセールスを記録するようになった。

しかし、女性アイドルはいまだ低迷期が続いていた。

もちろん、俳優、モデル、タレントでブレイクする女性は沢山いたが、街中を歩いていて聴こえてくる女性の歌声は、プリンセス・プリンセス、大黒摩季、リンドバーグなどバンドやソロアーティストばかりだった。

更に90年半ばになると、trf、ZARD、安室奈美恵などがブレイク。彼女達はアイドルに引けを取らないルックスも兼ね備え、邦楽界における女性アイドルの居場所を狭くした。

この時代は後に「女性アイドルの冬の時代」と呼称されるほどで、「女性アイドルの時代は終わった」という流れは、もうずっと続くものと思われた。

「モーニング娘。」の最高曲「サマーナイトタウン」

しかし、「可愛い女性アイドル」という潜在需要が無くなるはずがない!と賭けたのか、80年代のおニャン子クラブを彷彿させる大所帯体制で「モーニング娘。」が勝負に出た。

デビュー曲「モーニングコーヒー」でそれなりの人気を得たモーニング娘。重要な次の一手がこの「サマーナイト・タウン」だった。

ASAYANから派生して生まれた女性アイドル集団。正に企画ものであり、その後、ここまで大成するアイドルグループになるなんて当時は誰も思わなかっただろう。

私は「おニャン子」の売り方を嫌っていたのもあり、学生服風の揃いの衣装で「モーニングコーヒー」を歌うモーニング娘をひと目見て「これ昔のおニャン子じゃん、また同じようなこと始めたな」と決めつけ、批判的に捉えてしまった。

しかし、この頭サビ調から始まる「サマーナイト・タウン」を聴いた時、スピーディで綺麗なサビと説得力のある歌詞に強く惹き付けられた

この曲、AメロとBメロはいい調子ではあるが、ちょっとぎこちなさもあるくらいで、あまりいい感じに聴こえてこない。

が、「スマイル、スマイル、スマイル…!」の後からのサビは、それまでのギクシャクさを払拭するリズミカルさで、しかも、背伸びする若い女子的な可愛さが迸る詩がメロディに上手く乗っていて、もの悲しさと爽やかさを同時に感じられてとっても気持ちがいい。

 

 唇、見つめないで、心の中が読まれそう…

 大人ぶった下手なメイクじゃ、心隠せない、大嫌い、大嫌い、大嫌い、大好き!

 

五十代の男が喜んで聴く歌じゃないのは承知の上だけども…「うん!素晴らしい!!」

サビ後の「あぁ…」は、まったくセクシーな方向ではなく、中高生の女性が何かを悔やんで「あ~ぁ…」と独り言をいう時のそれ。

シャ乱Qで女々しい男ばかりを歌ってきた、つんく氏ならではの傑作曲だ。

次曲「では、「サマーナイト・タウン」路線をより色濃くした曲調でインパクトが強く「モーニング娘。」の大ブレイクを決定づけた。

セクシー風な吐息が途切れず聴こえてきたりと面白い曲ではあるが、全体的にちょっとあざとく(わざとらしく)なり、聴いていてもなぜか飽きてくる。

個人的な感じ方だが、彼女達が自身のキャパのリミッターを外して、無理して演じているようで痛々しさも漂う。

爽やかさと寂しさ、そして何より自然体を感じさせた「サマーナイト・タウン」に比べ、品が悪くなってしまった。

 

スポンサーリンク
最新の記事はこちらから