【元祖女子ロック】SHOW-YA「私は嵐」

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【元祖女子ロック】SHOW-YA「私は嵐」

邦楽関係で「あらし」といえば、私の場合はアイドルグループの「嵐」、そして工藤静香の「嵐の素顔」が浮かぶ。

そして、他には何かあったかな…?と少し間をおいて思い出すのが「SHOW-YA」の「私は嵐」だ。

1980年~1990年初頭あたりの頃は、ロックバンドという生業自体が現代よりももっとアンダーグラウンドなイメージで、若者は別としても、一般社会人層からの印象は良くなかった。

勉学やスポーツに真摯に向き合わない若者、定職につかない「社会のはみ出し者」が現実逃避をした結果、奇跡的に辿り着くような世界。

一発当たったとしてもどうせ長続きしない職業、景気の良かった時代の企業戦士たちロックミュージシャンに憧れはありつつも、どこか馬鹿にして見下ろす人が多かった。

更に、当時は女性の生き方に対する一種の決めつけがあり「女の子なのにロックバンドなんて!」「なんでウチの娘は…、本当みっともない」と、女性がバンド活動をすることは、男子以上に両親をはじめとした大人たちに大反対されるのが常識だった。

そんな頃なので、ロックバンドのボーカルやキーボードが女性というだけでも特異だったのに、女性だけで編成され、しかもギュイーンでバリバリなロックを響かせて世間の雑音を吹き飛ばした先駆者、それがSHOW-YAだった。

「限界LOVERS」の次を担った「私は嵐」

1989年にリリースされたシングル「限界LOVERS」の方がはるかに有名だし、SHOW-YAと言えばコレでしょ!という人が多いと思うけど、ちょっと待って。

限界~の勢いを繋ぐべく次にリリースされたシングル「私は嵐」を思い出してほしい。

散々「限界LOVERS」を聴いた後だったし、ヒットした路線を踏襲した楽曲なので、当時は確かに二番煎じ感があったが、今改めて聴くとそんな印象は消える。

限界~の方は、インパクト抜群で戦隊ヒーローの主題歌みたいな爆発力があるが、そのせいで後半はちょっどクドいので、1回聴くと満腹になるのが欠点。

 ※チャゲ飛鳥「モーニング・ムーン」と同じww

「私は嵐」の方も、王道のロック・ギターサウンドではあるが、ズンズンくるパワーコード中心のバッキングで、限界~に比べて重低音が効いており、何度も繰り返し聴きたくなる傑作だ。

ギターソロは両曲とも激熱だが「私は嵐」の方は、ギターソロの後にベースが前面に出るパートがあり、その後イントロのギターリフに繋がっていくという、ギター好きにはもう辛抱タマラン作りになっている。

ボーカル恵子姐さんを筆頭にメンバーのビジュアルが強烈なので好き嫌いが出るが、ライブ音源では歌声も演奏もこちらの期待を裏切らないパワーで圧倒される。バンドカラーとしては「BOØWY系」ではなく完全に「X(エックス)」だ。

当時としても古典的な王道であり、ギターソロが珍しくなった現在のロックバンドのトレンドとは離れているが、サブスクで様々な年代の音楽を聴く現代人なら、逆に新鮮に感じ、一周回ってグッと刺さるんじゃないだろうか。

昭和シェル石油「FORMULA Shell」のCMソング

SHOW-YAというと、「F1(フォーミュラー・ワン)」とセットで脳裏に蘇ってくるのは私だけじゃないはず。

F1を連想させる曲といえば「F1グランプリ」の主題歌としてヒットしたスクウェア(後にT-SQUREに改名)の「TRUTH」が老若男女全世代が認めるチャンピオンで間違いないが、次点はSHOW-YAかと。

1980年代後半、昭和シェル石油のガソリン「FORMULA Shell」のCMソングとして、「限界LOVERS」と「私は嵐」はテレビに流れ、女子のみロックバンドの先駆け「SHOW-YA」の知名度は一気に上がった。

この両楽曲の攻撃的で疾走感溢れるサウンドは、伝説のF1ドライバーであるアイルトン・セナやアラン・プロストのイメージを見事に演出。

当時ブームだったF1のイメージにドンピシャだった

現在は、CMとの相乗効果で楽曲がヒットするような時代ではなく、少し寂しい。

 

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