1986年リリース、原田知世9枚目のシングル。
この曲は、トヨタ・カローラⅡのCMソングになっており、私もTVで耳にして知ったはずである。
原田知世としては、大きくイメージチェンジ(というかチャレンジ)を図った仕掛けの1曲だったようで、なるほど、それまでの路線とは大きく曲調が異なる。車のCMなので当然といえば当然だが、深夜の首都高速を流しながら、助手席の女が運転席の男から別れ話をされる緊張感がイントロから綺麗に貫かれた、非常に冷気を感じさせる曲。
今聴くと「カーラジオはこのまま消さないで」といった歌詞に時代を感じさせるが、そのスリリングな曲調は何回でも聞きたくなってしまう。作曲、編曲は後藤次利で、私の好きな曲の多くに、この方が関わっていることが多い。
当時、原田知世がパーソナリティのラジオ番組があり、興味本位で何回か聞いたことがある。内容は覚えていないが、リスナーからの手紙を紹介したりする、よくあるものだったはずで、その合間に、この曲がかかるのが楽しみだった。
私の周りの友人達は、おニャン子だ、菊池桃子だ、小泉今日子だと、皆、それぞれお気に入りのアイドルを持っていたが、私は安全地帯一本で、贔屓の女性アイドルはいなかった。原田知世はアイドルとは違う位置だったが、この曲のおかげで一時期惹かれたのは事実である。
しかし、私はそのことは誰にも言わず、また原田知世のファンになることもなく、この1曲だけで終わってしまった。