建築士との家作り その4「一流のハウスメーカーの攻勢に”いい気分”になるが、私はどうしても踏み込めなかった!」

建築士との家作り

家作り熱を冷めさせないテクニック

しばらくしてC社所長が持ってきたのは、玄関や室内のドア、天井や壁に貼るクロスとか照明といった住宅付属設備のカタログだった。

いやいや、まだそういう段階じゃ…と思いつつも夫婦でカタログを眺めていると、やはり夢の世界が広がってしまい、C社のパッとしない間取りプランにテンションの落ちた私が、再び活気を取り戻すのが分かる。

C社所長「あ、〇〇様、それでですね、このスチームオーブンレンジも標準装備となります。」

なんと、C社の家作りでは、スチームオーブンのパイオニア、あの「シャ〇プ」の大ヒット製品「へ〇シ〇」を標準装備するというのだ。

…おお、なんか景気がいいな♪

そして、更に効果的な一言が。

C社所長「あ、あの奥様、実は今日、〇〇に仲間内と釣りにいっておりまして…。」

妻「え?あ、はい。」

そう言って手渡してくれたのは、なんと氷上釣りのワカサギ。本当かどうかは不明だが、爆釣だったのでお裾分けとのこと。

妻「え~!いや~ありがとうございます!!」

C社所長は、C社と所長自身に好感を持ちながらも、間取りにしつこくケチをつけて渋っているのは夫である私の方で、妻は既にC社ファンになっていることを見抜いているのだ。

私は正直、「この所長、上手いな…」と思ったが、妻は、お裾分けして貰ったワカサギにすっかり感動している。なぜか分からないが2歳の息子も上機嫌。ハッキリ言ってウチの一家は凄くいい雰囲気になってしまった。

選んでいただいた住宅設備機器を踏まえて、全体の見積りを次回お持ちします。〇〇様の予算に沿うよう頑張りますので、などとサラッっと言ってくるC社所長。

んん…今の間取りには満足していないが、契約してからでも修正出来るということだし、ウチの家作り、ここいらで決めてしまっていいんじゃないか?

C社を含めた3社から始まった毎週毎週の打ち合わせも3ヶ月で疲れてきたし、パートナーは実績ある大手メーカーC社の〇〇営業所長、妻は北欧住宅のデザイン性と高気密住宅に満足。大よその見積額に基づいた借入返済計画もまあ何とかなりそうな現実ライン…。

そうだな、勢いに乗るのも手だし、もう、いいんじゃないか?

IFのハナシだけど、このまま行っても、きっと問題ない家作りになっていたと思う。

…で、そういう気持ちにグッと傾いた私だったが、変なところで拘るっていうか、後悔を残したくなかった私は、決め切れずに2007年の年越しをして2008年を迎えた。

今思えば、ここで悩むことを止めて楽な方に行かなかったことが「吉」とでた。年末年始でクールダウンした私は、かなり冷静になったのだ。

C所長との家作りは決して間違いではなく、この後の幸せな展開を想像できた。…しかし、私の脳裏にボンヤリとある間取り、生活空間のイメージは、ちゃんとした設計士が紙に描けない要望とはどうしても思えなかった。

だって、これって注文住宅だよな?だったら、顧客の要望は出来るだけ叶えるのが本筋だろう?

ハイセンスな外観や大手のイメージ+安心感は魅力的だが、オラはスチームオーブンやワカサギに流される訳にはいかねえ!

そう一念発起し、私は何の当てもなく、自分を納得させるための最後のパートナーを探すことにした。そして、地元出身で東京にて建築業を経験した後、Uターンで帰省して個人建築士として開業している人のホームぺージに辿り着いた。

北海道の地方都市に、こんな人が居るんだな…と思ったのが第一印象で、何となく敷居が高そうな建築事務所の扉を叩くことには不安もあったが、私は会って色々と相談することにした。勿論、最大のパートナーである妻と二人で。

メールで打ち合わせの日程伺いをし、後日、夫婦で出向いたのだが、この建築士は、これまでのハウスメーカー巡りから出会った多くの人達とは、まるで違う雰囲気が漂っていた。

 

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