オヤジギター その22「コードチェンジの壁は高い!その理由は『小指』にある!」

オヤジギター

左手の小指なんかそんな動かねえよ!

AmとDm7は、指3本を使って、ギターを抱えている本人から見ると下の方にある細い4~6弦を押さえるコードなので、それぞれのフォームは決して難しくない…というかむしろ簡単な方。

ここのコードチェンジは、3弦を押さえた中指はそのまま2フレット左にスライドし、1弦を押さえていた人差し指は2フレット左へ行った先で2弦へ、2弦を押さえていた小指は2フレット先の1弦へと変わる。要するに、2フレット左に移動した先で、人差し指と小指が入れ替わるだけだ。

そう、簡単なハズ!

…でも、これが難しいのよ!パッと一瞬で小指が動かないんだわコレが!

日常生活や大多数の仕事において、小指単体のピンポイントな動きが必要な場面なんかマズ無い。しかしギターの場合、その小指をシャッと動かして特定の弦をちゃんと押さえないと狙った音は出ない。しかもそれを、多くの人の利き手ではない左手でやらなきゃならないのだ。

一呼吸置いてのゆっくりなら出来る、でも、シャッと素早くやろうとすると、その脳からの指令に左手小指は反応できない。

「もっと…もっと早く反応してくれ!」

これは身体能力と反応速度がジリジリと下降しているアラフィフ・オヤジ・ギターチャレンジャーにとって一番のハードルかもしれなかった。

こればっかりは特効薬なんかなく、ひたすら繰り返し繰り返し練習するしかなかった。RPGゲームなら、レベルを上げるためにチマチマと見飽きたモンスターを倒し続ける作業…。

でも、不思議とつまらなくはなかった。自分の左手小指にムカつきはしたが、練習が嫌だとか、もうギターなんか止めようとか、全く思わなかった。

それどころか、このトレーニングですらワタシは楽しかった!

安全地帯「ノーコメント」のイントロには一癖あった

早速、詰まってしまったワタシだったが、この曲には更に大きな壁が存在していた。この曲のイントロは定番の16分のカッティングで、1小節毎にちょっと異なる3パターンがある。16分なので表↓裏↑のピッキングと空振りを合わせて16回×3のフレーズ。

Amの16分カッティングAパターン、Dm7の16分カッティングBパターン、Gの16分カッティングCパターン。これはカッティングあるあるの展開なので覚えてしまえば難しくはない…が、実はこの曲、カッティングの最後、16分の16のところでコードチェンジする。

ワタシ「…えっ?ナニコレ?最後のトコでコードが変わるの?パターンの最初でなく?」

師匠「うん、そういうコトだね~♪」

師匠が書き起こしてくれた譜面で説明されるうち、遅まきながらそのことに気付き驚くワタシ。Amのコードで16分をやり切るのではなく、その最後でDm7にコードチェンジ、そしてDm7の最後でGにチェンジしなくてはならないのだ。

16分のカッティングの最中、そう、小節が変わる一歩手前でコードチェンジするには、それこそパッと一瞬で指を押さえ変えなければならない。AmからDm7への小指で四苦八苦しているようなワタシにとって、これは相当な難関!!

ゲッ!マジか?オイオイ…俺に出来んのかよ!!!

ワタシは気が遠くなったが、と同時に、当時14歳だった自分が惚れ込んだ曲のギターフレーズ、なぜそこに惹かれたのかが心底分かった気がして感動もしていた。

師匠「なぜ、この曲のサウンドが『お洒落』に聴こえるのかは、例えばこういうところにあるんだよね。そりゃ当時こんなサウンドを鳴らす『安全地帯』は売れるべくして売れたよね。」

そ、そうか、そうだったのか…!

ワタシはこの曲を聴いてからの35年間、小節が変わるタイミングでコードチェンジしていると思い込んでいたが、そうではなかった。聴き手の感覚の一歩先でコードチェンジするからこそ、ちょっと奇妙な感じ、不安感とシャレオツ感を醸し出す印象的なギターカッティングだったのだ。

 

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